皆さんは、親知らずを抜いた経験はありますか？“スムーズに抜歯できた”という方がいる一方で、“分割して、骨を削ったから時間がかかった”と大変な思いをされた方もいらっしゃると思います。その主な理由は、親知らずの生え方や根の形は人それぞれで、それによって抜歯の難易度が異なるためです。

親知らずとは・・・？

親知らずとは、前歯から奥に向かって数えて8番目の一番最後に生えてくる永久歯のことです。ちなみに、親知らずとは俗称で、正式には第三大臼歯や智歯などと呼ばれます。一般的には10代後半から30代後半にかけて上下左右に一本ずつ生えてきますが、中には歯茎の中に埋もれて顔を出さなかったり、そもそも親知らずが無いという人もいます。

生え方の１例をご紹介すると、1.上向きに生えてキレイに顔を出すパターン、2．一部だけ顔を出すパターン、3.完全に歯茎の中に埋もれて顔を出さないパターンなどがあります。1の場合であればあまり問題は発生しませんが、2の場合はケアが難しくむし歯になりやすかったり、炎症を起こしやすかったりするため注意が、必要です。3は、歯が顔をだしていないため虫歯になることはありませんが、のちのちトラブルが発生したりして、抜歯が必要になる場合もあります。

生え方が1．のパターンの場合であれば難易度は1か2、2.のパターン場合であれば2か3、3.のパターンの場合で、あれば4と想定されます。また下顎の親知らずの近くには顎の神経があり、キズつけないように細心の注意が必要になるため、一般的に上顎よりも下顎の親知らずの方が難易度は高くなります。

抜歯する、しないの基準は?

親知らずを抜歯するか、しないかの判断基準としては、まずは親知らずが悪さをしているか、していないかによります。親知らずによく食べ物が詰まる、歯茎が腫れやすいなど、親知らずがあることで、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまう場合は、抜歯を選択するケースが多いでしょう。

また、若い年齢であれば骨が柔らかいため抜歯がしやすく、抜歯後のキズの治りも早いというメリットがあります。また将来的に妊娠や出産を希望される女性は、その期間中にトラブルが発生した場合を考慮して、事前に抜歯を選択することもあります。一方、高齢になると骨が固くなるめ抜歯がしにくく、更に他の病気や服用中の薬との兼ね合いで注意が必要になるケースも増えてきます。

なかなか一筋にはいかない場合もありますので、親知らずが気になる方はお気軽にご相談下さい。