山梨県甲斐市龍地6443-1
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粘膜の病気のなかでも、もっとも心配で早期発見したいのが口腔がん。でも、がんも良性の白板症も、みな見た目が似かよっているので視診で鑑別するのは、じつは口腔がんの治療のプロでも難しいんです。
口腔がんは「見つけにくい」とよく言われます。しかし、それは本当でしょうか。本当ならば、なぜ見つけにくいのでしょうか。
まず、これはすべてのがんに言えることですが、初期には痛みなどの自覚症状がありません。
これにら加え問題を複雑にするのが、口の中は食べ物や被せ物、入れ歯などの刺激を常に受けているということです。粘膜の病態が、食べ物と日々こすれ、熱いものに触れているうちに、見た目が似かよってきて、悪玉も善玉も似たような顔つきになってしまう。これも診断に振りな点でしょう。
しかも、口の中はただでさけキズを作りやすい場所。擦り傷、噛み傷も少なくありません。それに、アフタ、歯周病など細菌による炎症、カビ菌によるカンジダ症、色素沈着、水疱、良性のコブやデキモノ、アレルギー、感染症、全身疾患、薬剤の副作用、そして悪性腫瘍と、あらゆる可能性を検討しなければ、本当の原因に行き着くことができません。
また、がんの表層構造がふくざつで、良性の粘膜病変との鑑別が非常に難しいもいうことも口腔がんの特徴です。
実際、毎日口腔がんの病理検査を行なっている病理医も微小な病変ではなやまされることがあります。そして臨床の先生が「おそらくがん化はしていないだろう」と思いながら念のため病理検査をしたところ、実際はがんだったというようなこともあります。
逆に、すでにがん化しているだろうと行った検査結果が、さいわい良性にとどまっていなこともありました。
口腔がんの診断は、経験を積んでいても難しいもの。まして患者さんが自己判断するのは非常に危険です。
歯科受診で粘膜の変化が見つかったり、ご自身で粘膜ほ変化に気づいた時は、かかりつけの歯科医院や病院の歯科で相談し、念のため細胞診検査を受けてください。
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