わかばやし歯科医院

電話する WEB予約(初診のみ)

こどものむし歯予防について Column.03こどものむし歯予防について

こどものむし歯予防について

むし歯の予防といえば、まず歯みがきを思い浮かべる人は多いことでしょう。しかし、通常の歯みがきだけでは完全にむし歯を防ぐことはできません。毎日しっかり歯みがきをしていると思っていても、みがき残しのある人は意外と多く、それがむし歯の原因の一つとなっているのです。

それでは、どうすればむし歯を防ぐことはできるのでしょうか?子供と大人の世代別のむし歯の特徴と、むし歯にならないための予防法をご紹介します。

大人と子供で異なるむし歯の特徴 大人と子供で異なるむし歯の特徴

むし歯は歯垢の中に棲むむし歯の原因菌が糖を栄養分として取り込み、分解する際に出した酸が歯を溶かすことでおこります。ただし、一口にむし歯といっても発症する要因は世代によって異なります。

それでは、大人と子供ではどのような違いがあるのでしょうか。

子供のむし歯の特徴

子供のむし歯

乳歯は、妊娠期に石灰化が始まり1歳半から3歳までの間に石灰化をします。永久歯は生後間もなく石灰化を始め、早い歯では9歳~16歳頃には完了します。石灰化が完了していない歯は柔らかいので、子供は大人に比べてむし歯になりやすいのです。

乳歯のむし歯の原因には、卒乳の遅れや寝かしつけの際の授乳やジュースなどを与えることなどがあります。また、歯みがき開始の時期やフッ化物配合歯磨剤の使用開始時期の遅れも影響するため、注意が必要です。

それに対して、永久歯のむし歯の原因となるのは、ジュースやお菓子など甘い飲食物を好む上に、自分で歯みがきをする際にみがき残しができることです。特に、奥歯の溝の部分は、糖分の摂取量に関係なくむし歯ができやすいことから、歯ブラシが届きにくい部分に重点をおいたむし歯の予防が求められています。

大人のむし歯の特徴

大人のむし歯

程度にもよりますが、大人の9割以上がむし歯を抱えているといわれています。大人のお口の病気といえば歯周病が代表的とはいえ、年をとるほどむし歯が増えていくことから、歯の喪失を防ぐためにもしっかりとしたむし歯対策が必要です。

大人のむし歯の原因は子供とあまり変わりませんが、むし歯ができる過程には大人ならではの特徴があります。

  • 1.みがき残しによるむし歯
    子供のむし歯と同じように奥歯の溝の部分のほか、歯と歯の間・歯と歯肉の境目・歯の裏側のような、みがき残しの多い部分にむし歯ができやすくなります。
  • 2.歯周病による歯根の露出によるむし歯
    歯周病で歯肉が縮退すると、露出した歯根面にむし歯ができやすくなります。通常の歯の表面を覆うエナメル質に比べて、歯根面を覆う象牙層は柔らかいことから、むし歯になりやすいのです。この部分のむし歯は特に高齢者にできやすいといわれています。
  • 3.治療後のレジンやインレー(つめ物)の内側でのむし歯
    歯とつめ物の間にできた隙間からむし歯菌が侵入してできるむし歯です。深い部分まで治療している歯ほど進行が早く、神経を抜いていることが発見を遅らせる要因となります。

予防法について 予防法について

むし歯ができる原因は、個人の歯の質にもよるところが大きいようですが、それ以外にも口の中のむし歯の原因菌や食べ物も大きく関係してきます。これらの要因から、歯を守るためにはどうすればよいのか?ここでは効果的な3つのむし歯の予防法をご紹介します。

1.砂糖を含む食品の摂取頻度の制限

砂糖を含む食品の摂取頻度の制限

むし歯菌が栄養分として糖を分解する際に出す酸が、歯を溶かすことがむし歯の原因となります。実はその際、私たちの唾液は酸性になった口の中を中性に近づけようとするほか、唾液に含まれるカルシウムやリン酸で溶けた歯を再石灰化し、修復してくれているのです。

このように、私たちのカラダには歯をむし歯から守る素晴らしいシステムがあるのですが、糖を頻繁に摂取してしまうと、再石灰化のサイクルが間に合わずに、どんどん歯が溶け続けてむし歯になってしまうのです。そのため、むし歯を防ぐためには、糖を含む食べ物を摂る頻度を減らすことが必要とされます。

砂糖を含む食べ物をだらだらと食べ続けたり、ジュースやスポーツ飲料を飲み続けていると、常に口の中では酸が作りだされています。そうならないためにも、「デザートを食事の直後に食べる」「間食は時間を空けて摂る」など、砂糖を含む食べ物の摂る頻度を抑えることで、むし歯ができにくい口内環境作りを心がけましょう。

2.フッ化物を利用した歯みがきによるセルフケア

むし歯予防のためのセルフケアで最も重要となるのが歯みがきです。ところが初めにご紹介した通り、歯ブラシを使った通常の歯みがきでは、残念ながら完全に歯垢を取り除くことはできません。セルフケアでむし歯を効果的に予防するためには、歯ブラシのほかにも以下のものを使用します。正しい使い方については医院にてご案内いたします。

  • 1.デンタルフロス
    歯ブラシでは届かない歯と歯の隙間の歯垢除去に有効なのが、糸状の歯間クリーナー「デンタルフロス」です。細い糸なので、歯と歯の間から歯の根元のかけての、細かな部分の汚れを除去することができます。
  • 2.歯間ブラシ
    歯と歯の間の細かな部分の歯垢を除去するデンタルフロスに対して、歯間ブラシは歯と歯の間が大きく空いている場合に使います。狭い歯間で無理に使うと歯肉を痛める恐れがあることから、慎重なサイズ選びが求められます。
  • 3.フッ化物の利用
    フッ化物には、酸によって歯が溶ける「脱灰」の抑制や再石灰化の促進など、むし歯に対する抵抗性を高める働きがあります。歯みがきの際にフッ化物による洗口を行ったり、フッ化物配合の歯磨剤を使用することでむし歯の予防に効果があります。

3.シーラントやクリーニングによるケア

シーラントやクリーニングによるケア

セルフケアでは完全とはいえないむし歯予防を補ってくれるのが、歯科医によるプロフェッショナルケアです。専門的な口腔ケアにより、歯みがきの際のみがき残しなどによるむし歯の進行を防ぎます。

  • 1.シーラント
    奥歯のみがき残しによる子供のむし歯を防ぐのがシーラントです。奥歯の溝の部分をプラスチックでコーティングしてむし歯を予防するほか、フッ素物により再石灰化を促進します。
  • 2.クリーニング
    普段の歯みがきでは落としきれない汚れを除去するのが、歯科医によるPMTC(Proffesional Mechanical Tooth Cleaning)です。専用の器具を使ってクリーニングを行うので、歯の表面の着色汚れはもちろん、むし歯菌のすみかとなるバイオフィルムもスッキリ落としてくれます。
  • 3.アウスジェット
    霧状のスプレーで薬液を直接、歯周ポケット内に浸透させるのがアウスジェットです。むし歯の原因となる歯垢(プラーク)の除去や口臭を予防する効果があります。