わかばやし歯科医院

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顎関節の骨が変形している骨の変形タイプ

骨がこすれて音がしたり、痛む

 下顎窩と下顎頭のあいだには、関節円板や、骨の表面を覆う軟骨があります。しかし、関節円板が前にずれ、さらに加齢などにより軟骨が薄くなると、下顎窩と下顎頭が直接当たるようになり、やがて骨が変形してきます。
 これが「骨の変形」タイプです。口が開けにくかったり、開けるときに痛みがあったり、音がしたりします(専門的には「変形性顎関節症」と呼びます)。軟骨は女性ホルモンの影響を受けますので、ホルモンが少なくなり、軟骨が薄くなる中高年のかたによく見られます。
 クッションのずれタイプを長い期間放置して悪化すると、骨の変形タイプに移行することが多いです。
 治療では、痛みを取り、口を開けられるようにするために、鎮痛剤の服用や注射治療、開口ストレッチなどを行います。骨の変形に要する期間は長いので、経過観察も大切です。

『顎関節に悪い癖を見直そう‼️』
顎関節しょうは、顎関節への負担が引き金となって起こります。しかし負担の原因はというと、一概にどれとは言い切れないのです。

Q 4つのタイプについてよくわかりました!
 顎関節症って、いろいろと違うんですね。ところで、そもそも顎関節を傷める原因には、どんなものがあるんでしょう?

A 顎関節症は複数の要因が積み重なって起こる多因子疾患です。日常生活での無意識の癖が顎関節の負担になっていることも多いのです。こうした要因を緩和させることも、顎関節症の治療や予防、再発防止に重要ですよ。

⚫︎さまざまな要因の積み重ねで起こる。
 顎関節症は、顎関節への負担が、その人のもつ「顎関節や筋肉の耐久性」を超えると起こります。原因はさまざまですが、毎日の生活習慣の影響も見逃せません。
 次のような、顎関節に負担をかける悪い癖はありませんか。無意識の習慣も多いため簡単には直しにくいですが、できるところから見直していきましょう。

     【歯ぎしり・食いしばり】
無意識の歯ぎしりや食いしばりは、あごの筋肉と関節に大きな負担をかけます。筋肉にとっては、休息のない過度な筋トレと同じです。関節のように負担をかけ続けます。

        【ストレス】
ストレスは筋肉の緊張をまねき、TCHや歯ぎしり・食いしばりにつながります。とはいえ、時間に追われる現代ではストレスのない生活は難しいですので、運動や瞑想など、ストレスを軽減させる習慣を身につけることが大切です。深呼吸もよいですよ。

[あなたは大丈夫⁉️顎関節に悪い癖]
前傾姿勢や猫背など…
 ⚪︎下あごは、頭の骨と筋肉にぶら下がっており、振り子のように自然にバランスが取れる位置に収まります。姿勢が悪いと、下あごは本来の位置とは違うところにぶら下がるようになり、顎関節への負担となります。
 ⚪︎近年は、テレビゲームをしたり、スマートフォンを使うときの前傾姿勢も問題視されています。リモートワークを含め、パソコンで作業をする際にも姿勢にご注意を。
 ⚪︎枕があごに当たるうつぶせ寝や横寝、腕が当たる頬づえも、顎関節に負担をかけます。

TCH(歯列接触癖)
 ⚪︎ものを食べていないときは、上下の歯のあいだはわずかに開いているのがふつうです。しかし無意識に上下の歯を噛み合わせることが癖になっているかたもいます。
 これは「TCH 歯列接触癖」と呼ばれ、あごの筋肉の疲労や関節への過剰な負担の原因となります。TCHは、顎関節症のかたの8割近くにあるといわれます。TCHがあると、顎関節症の痛みが持続・悪化するリスクが、TCHのない人と比較して約2倍になるともいわれます。
 ⚪︎TCHは無意識の習慣ですので、直すのは難しいものです。まずはご自分にTCHがあるのを認識することが第一歩。上下の歯が当たっていることに気づいたら、意識的に離すようにしましょう。
 ⚪︎「TCHに注意!」などと書いた付せんを身の回りに貼って、こまめに意識する習慣をつけるとよいでしょう。

楽器演奏
 種類によっては楽器演奏が顎関節に負担をかけることもあります。バイオリンは演奏時にあごで楽器を挟むので、負担がかかります。吹奏楽器も、下あごに後ろ方向(顎関節の弱い方向です)への力をかけるため、負担となります。

◎噛み合わせの治療はよく考えて。
 顎関節症は複数の原因から生じます。ですから、歯を削る、矯正をするといった噛み合わせ治療を行っても、もともとの原因が噛み合わせだけではない場合は、症状が改善しないことがあります。治療は、かかりつけの歯科とよく相談し、開口ストレッチや筋肉マッサージ、お薬などの可逆的な(元に戻せる)ものから試していくのがよろしいでしょう。

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